目次
- 第1回:理事長交代の背景
- 第2回:初代理事長として、これまでの歩みを振り返って
- 第3回:理事長になって1番驚いたこと
- 第4回:新しい体制で取り組みたいこと
- 第5回:事例とエビデンス
- 第6回:ケアを持続することで効果があがる
第4回:新しい体制で取り組みたいこと
—– 理事長から名誉理事長になられたとはいえ、秋吉先生もこれまで以上のパワーで協会に関わられています。現在のお2人で引っ張っていく体制になっていかがでしょうか。
城:川の流れのようにじゃないですけど、意志はちゃんと持っているつもりだけど、あんまり抵抗したりせずに、まずは先人の後をついて行く。だから今は秋吉先生の後をついて、何がしたいというのを聞きながら、その中で『私はこう思います』と少しずつ意見を言わせていただきながら、秋吉先生の後をちょろちょろと(笑)ついて行くという形でやっていかないと。
自分で何かを考えてというような力は自分ではまだ早いと思っています。
なので、秋吉先生がいつまでもお元気で無理されないで、志を共有させていただくことで、自分の器を少しずつ膨らませていきたいっていうのが、私の課題なので。
秋吉先生は聞いてくれるんですよ。障害児の施設を始めた時も、お母さんがとっても大変だし、こういうこともしたいんだよねって言ったら、「それいいね」「そこはやってあげようか」って聞いてくださるし、自分なりのしたいことを小出しに言ったら、すぐちゃんと聞いてくださったりして。
「それやりましょう」となると、「明日ですか、明後日ですか?」って(笑)、先生は言われるので、すべて秋吉先生がやりたいことを私がお手伝いするのではなく、私がしたいことも小出しに言わせていただいているので、自分の中でのモチベーションも下がっていません。
秋:ぜひ言ってください。ダメ元なんて言わないで、こうしましょうよっていう感じで。そしたら会員さんたちも動かすし、相手にアプローチも一緒にしましょう。1人よりも2人がいいからね。
—– 今後、協会で取り組んでいきたいことはありますか?
秋:SDGsへの取り組みですね。
その1つが、映画『LIFE®️』の上映です。シンガーソングライターの橋本昌彦さんの作品で、命をテーマに、手の温もりで思いを届けようというメッセージが込められた映像なんですが、その実行委員に、『九州大学SDGsデザインユニット長の井上滋樹先生と並べてご紹介してもいいですか?』と、とっても嬉しいお声がけをいただきました。
当協会もこれからSDGsに本格的に取り組んでいくわけですが、テーマは井上先生と共通しています。橋本昌彦さんもそうですね。
人間として生まれて来たその命を大切にしよう、私たちの手の温もりで、生まれたときから死にゆく人まで、手の温もりで寄り添おうねっていう協会のテーマは、SDGsの考え方そのままなんですね。
ですから、あちこちで『LIFE®️』などのイベントがある時には、私は参加したいと思っています。もし理事長も時間が許せば2人態勢で。二人三脚で、私はちょっと一歩引いていこうと思います。
『あんた、もう理事長じゃないんだから、いい加減、大人しく引っ込んでいて』って言わんでください。頑張ってますからね。定年がないんですから、ボランティアには(笑)。
—– この秋吉先生の話を聞かれて、それを繋ぐ理事長として描く未来図っていうのはありますか?
城:本当にまだまだ後をついていっている段階なんですけど、SDGsっていうのはすごく大きな枠で考えると、みんな苦しみがあったり、あるいは苦しみが少しでも楽になる。喜んでいる人はもっと喜べるような、そういった世界を最終的にと思っているので。
英語でいうとbetterという言葉を目指しながら、頭を柔らかくして、秋吉先生が何よりも大切にしている現場に一緒に関わっていきたいと思っています。
(収録日:2022年3月16日/ 聞き手:水上)